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Canaria Report Echo Revue 070523/ 高橋琢哉 [感想文:ライブ]

2007年5月23日(水)20:00~22:00
於:下北沢 OffBeat

 ライブが終わって一夜明けてみると、自分のどこかが漂白されているような気がする。真新しいのではなく、柔らかくなったハンカチのように、青空のどこかが丁寧に切り取られて、折りたたまれている。その小さな正方形が、いつまでも気持ちの片隅に、ある。

 「カナリヤ報告書」というタイトルから西風が吹いてくる。カナリヤの胸のあえかなイメージと、報告書という言葉の空間性が、この音楽への入り口を教えてくれているようだ。なんてすばらしいタイトルなんだろう。その報告書は、どこかに存在するのだろうか。午後4時の、伏目がちな本たちの間に、さらに隠れているのだろうか。
しかし、その報告書は、言葉なんて息苦しいものでは書かれていないのだ。
鳥、子供のざわめき、ブラック・ミュージック、弦、・・・襞のようなコラージュ。
オブジェがあり、それは、音と音の接近と接触の軌跡を、霧箱の放射線のように記録している。
そして、石を拾っている人の姿。
ぽとり、ぽとり、と、世にも稀な小石を集めている。
後をついていく私たちのことを、少し気にしている。でも、風の匂いのほうに戻っていく。
その人は、集めた小石を注意深く配置し、眠る。
その人の夢の形は、きのこ。

Takuya Takahashi with Canaria Report


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