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GODZILLA ゴジラ(2014)/ ギャレス・エドワーズ監督 [感想文:映画]

 冒頭、「東宝」のロゴマークが燦然と輝き、過去のゴジラシリーズへの敬礼がなされる。そうだ。この映画は、敬意と愛の映画。荒唐無稽で、馬鹿馬鹿しく、そのために恐ろしい、「怪獣」の映画を営々と作り、奮闘してきた映画人たちとそれを受け止めて、やんややんやの快哉を謳ってきた観客たちへの、返礼なのだ。
 台風が近づくとわくわくする者よ、増水した川を見に行きたくなる者よ、この映画を観よ。この映画に浸れ。
 おしっこをわざと我慢するための遠回りを知っている者よ、この映画を観よ。「怪獣」が主役の映画にとっては、人間の社会のごちゃごちゃはおしっこを我慢するための言訳でしかない。この映画はそうなっている。しかも丁度いいバランスで。「ゴジラ」の主役はゴジラであり、ゴジラが主題なのだ。人間どもは、蟻かゴミ屑であって、狼狽え、逃げ惑い、踏み潰されていればいいのだ。これをメタファーや批判に置き換える必要があろうか?フィクションであり、「美」であり、体験であるのに?
 「怪獣」映画のスペクタクルの勘所がこの映画には、全て入っている。巨大な生物が地上で荒れ狂う「美」を「怪獣」映画は発見したのであり、この映画は、ギャレス・エドワーズ監督は、それを知っている。ついでに言えば、平成「ガメラ」シリーズも入っている。
 ゴジラ・シリーズの正統な新作が一本誕生した。それを目撃することができて、嬉しい。誰か、ギャレス・エドワーズ監督に言ってくれ。「ありがとう」と。

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